いつの間にか彼岸も過ぎ、春だ、と感じられる日が増えてきた。朝晩はまだすこし冷えるが、日中は上着を着ないでも気持ちよく過ごせる。今朝、近くの桜の木を見に行くとぽつぽつと花がひらいていて、つぼみもピンクに染まっていた。桜前線はもうまもなく到着する予定であろう。このサイトのグラフィック上の地球も0度をまわり、またここから時間を重ねていくのだと気持ちが一新する。
さて、そのように季節の変わり目に入ると天気がぐずついてくる。僕が住む街の2週間先の天気予報ではすべての日に曇りマークが、半分ほどの日に雨マークがついている。桜が咲いたと思ったら雨で散らされるというのも毎年の光景だろうか。そんな感じだから花見をするタイミングがむずかしいし、毎年の桜の写真には花びらの上に水滴がついている。この時期に降る雨にも「菜種梅雨(なたねつゆ)」とか「催花雨(さいかう)」とか呼び名があるが、そのうちのひとつである「春霖(しゅんりん)」という言葉が好きである。響きもいいし、「霖」という漢字は林の上に雨が降っていて綺麗。
さて、今年も春の講師業がはじまる。昨年に上野にある大学の授業のひとつを依頼され、今年も引き続き依頼を受けた。入学したての学生に向けて1ヶ月の授業を2回おこなう。なぜ僕に、という気持ちは今も拭えないが一年を経過して、そのせいで自信がなくなることは少なくなった。
こちらとしてもまだ慣れない仕事ではあるが、学生たちのほうが新生活に慣れない時期だろう。昨年はさすがに緊張したが、こちらがどっしりとした気持ちで構えなければならない。そういう気持ちとは裏腹に一年ぶりの仕事はやはりどうしても緊張はするだろうけど、たのしく授業を受けてもらえるような心づもりでいたい。
それにしても春の上野公園はとても気持ちがいい。人気がまばらな朝の公園を横切っていくのだが、空気が澄んでいて、陽も高くから射して、きらきらしている。そんな中、桜がまばらに咲いていたり散っていたりの横で新しい年度のスタートを過ごせることがもううれしい。授業終わりには帰りの電車に乗るまでにコーヒーでひと息つくのがたのしみとなった。今年は少し余裕をもってその一杯がゆっくり飲める喫茶店を探したいと思っている。